柔道耳

柔道をする人がよくなる症状で、擦れたり圧迫などが原因で起こる。

その方は柔道はしていないけれど耳全体が炎症を起こし、腫れて水がたまってしまった。

病院で水を抜いてもらったものの、またすぐにもとに戻ってしまう。

もう注射で抜いても同じだからと、塗り薬を処方されたがなかなか改善されなかった。

 

触診すると耳全体が熱をもち水っぽく腫れている。

それに加え側頭部のあたりまで熱が及んでいたので聞いてみると、頭も痛かったとのこと。

まずは側頭部にたまった熱をとるため鍉鍼(ていしん:銀でできてる棒のような刺さない鍼)をつかう。

熱が抜けると耳の腫れも少し減った感じ。

そして耳で炎症をおこして一番弱っているところを鍉鍼で補う。

すると最初よりも腫れがひいて耳の輪郭ががすっきり。

その後日をおいてもう一度同じような治療をしたら、腫れもなくなりふつうの耳に戻った。

 

鍼灸の治療は熱の処理が大事。

冷えやのぼせといった体質に近いものから、捻挫や打撲といった急性の熱まで,

寒熱という概念で体の中の熱分布を調節する。

 

整形外科ではシップを貼って様子をみてくださいね~といわれるものでも、

適切に処置すると熱がとれ腫れが引くので治りが早くなることが多いです。

(腫れがおきてしまうと周りの血管やリンパの流れを圧迫するので治りが遅くなる)

 

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