うちみ

転倒して背中を打った男性。あとからその前がわの左胸の肋骨が痛くなった。

その場所は以前ひびが入ったことがある古傷。

深呼吸しても痛みがないが、寝返りがつらい。

 

触診するとたしかに胸のあたりに熱感と腫れ、押すと圧痛がある。

腫れをとるのにどこに鍼をしようか考えていたときに、

腹診のときに気になったおへその右下の硬結を思い出し刺鍼。

すると左胸の腫れが減り、寝返りの痛みも減少。

 

胸と背中は体全体でみると陰と陽の関係。

背中を打った衝撃がその反対側に影響がおよんだみたい。

さらに左胸と右下腹はおへそを中心に対角線上にあるから…。

そんな風に上下左右、陰陽表裏で体をみていくのも東洋医学的なやり方です

 

でもわかった風に書いてはいるものの、人の体って不思議だな~といつも思ってます。

柔道耳

柔道をする人がよくなる症状で、擦れたり圧迫などが原因で起こる。

その方は柔道はしていないけれど耳全体が炎症を起こし、腫れて水がたまってしまった。

病院で水を抜いてもらったものの、またすぐにもとに戻ってしまう。

もう注射で抜いても同じだからと、塗り薬を処方されたがなかなか改善されなかった。

 

触診すると耳全体が熱をもち水っぽく腫れている。

それに加え側頭部のあたりまで熱が及んでいたので聞いてみると、頭も痛かったとのこと。

まずは側頭部にたまった熱をとるため鍉鍼(ていしん:銀でできてる棒のような刺さない鍼)をつかう。

熱が抜けると耳の腫れも少し減った感じ。

そして耳で炎症をおこして一番弱っているところを鍉鍼で補う。

すると最初よりも腫れがひいて耳の輪郭ががすっきり。

その後日をおいてもう一度同じような治療をしたら、腫れもなくなりふつうの耳に戻った。

 

鍼灸の治療は熱の処理が大事。

冷えやのぼせといった体質に近いものから、捻挫や打撲といった急性の熱まで,

寒熱という概念で体の中の熱分布を調節する。

 

整形外科ではシップを貼って様子をみてくださいね~といわれるものでも、

適切に処置すると熱がとれ腫れが引くので治りが早くなることが多いです。

(腫れがおきてしまうと周りの血管やリンパの流れを圧迫するので治りが遅くなる)

 

本年もよろしくお願いいたします。

大晦日からこちら食べたり飲んだりばっかりでした。

ふだん食べないご馳走が並んでつい箸もすすみ、

三が日を過ぎるころには胃が重くなって後悔。

毎年のことなんですけどね~。

 

ゆる体操をしたら胃の裏から肝臓まわりが硬くて、

ほぐれるまで時間がかかりました。

硬くなっているとちょっとした動作でぴきっと来ることが多いです。

みなさまもお気を付けください。

 

治療室は本日からおこなっています。

本年もよろしくお願いします!

 

(写真は今年のクーカのカレンダー。1月はJustine)

心とからだの関係性

みなさんにとって今年はどんな年だったでしょうか?

僕にとっては「心とからだの関係性」というのがテーマの年でした。

治療を通じてもいろいろとそういった症例がありましたが、

ヴィパッサナー瞑想に参加したことは大きな経験でした。

 

瞑想では頭の中であちこち飛び回る思考を追わずに、

体の内側に生じる感覚に集中しつづけます。

まさに「考えるな、感じるんだ」の世界です。

 

最初は頭のなかのつぶやきを止めるのにヘトヘトでしたが、

座ることにも慣れて体の中の感覚に集中できるようになると、

たまに浮かぶ思考や記憶とともに体の中が痛かったり熱かったり、

ビリビリしたりぐわーっとなったりするのがわかりました。

ふだんは気づかないけれど、思考や感情はすごいエネルギーでした。

 

そのビリビリしたりするのをただ感じ続けるとやがておさまります。

滞っていたエネルギーが抜けるんだと思います。

そしてその場所を動かしてみるとすごく軽くてびっくりしました。

心と体はやっぱりつながってるんだと、腑に落ちた瞬間でした。

 

治療で患部に触れていると突然強い感情に襲われることがあります。

以前はあやしく思われるのがこわくて伝えなかったのですが、

患者さんに話すと「じつは…」ということが多いです。

そして気づくことで症状がやわらぐケースもあります。

 

鍼治療で、こころもふっと軽くなる。

そんなことができるように来年もがんばろうと思います。

 

年末年始のおしらせ

今週は身内の不幸があり、急きょお休みさせていただきました。

本日から通常通り治療しております。

お休み中ご連絡をいただいたみなさま、申し訳ありませんでした。。

 

さて年末年始のお知らせです。

年末は12月30日(火)まで。

年始は1月6日(火)からスタートです。

 

この時期は飲み会が続き、内臓の疲れから腰や背中が硬くなりがちですね。

ぎっくり腰などおこさぬよう、どうかお気をつけて!!

 

(写真はいつも楽しいスタジオクーカのカレンダー。来年のも楽しみ。)

 

なんちゃってフェイシャル

友人が治療にきて、これから履歴書用に写真を撮るから小顔にしてくれとのこと。

それなら前日に飲みすぎなきゃいいのに…

 

しょうがないので鍼治療に加えて普段はやらない顔回りのマッサージ。

普通に鍼をするだけでも顔色のくすみが取れ、目がぱっちりと大きくなる。

さらに表情筋をゆるめ左右差をなくし、あごのまわりのむくみをマッサージ。

なんちゃってフェイシャルでも結果は上々で、

一週間前にとって気に入らなかった写真とくらべると歴然。

(写真の掲載は拒否されました(笑))

 

やりながら本職の美容鍼ってどこまで目標にやるんだろう?

目じりのしわを一本ずつとったりするのかな?

顔の表情も筋肉だから筋トレもきっと必要だよね、なんて思う。

でも実際に人に会った印象はその人のもつエネルギーの大きさとか質とか、

姿勢とか動きのしなかさとか色々関係するので、

顔だけにこだわる必要はないよな~と思いますが。

 

もし治療の後で面接とかお見合いとかの方はお知らせください。

なんちゃってでよければフェイシャルやりますので(笑)

 

「夏の疲れ」

9月の終わり、台風一過で気持ちの良い秋晴れですね。

 

ここ最近は肩の凝りがとれない、頭が痛い、食欲がでない…という方が多かったです。

症状の出方はいろいろでも、共通していたのはお腹が冷えて硬くなっていること。

夏の間は冷たい飲食物をとる機会が増えるので胃腸も冷えてしまいます。

お腹の硬さが邪魔をして、全体的な気のめぐりが悪くなっている感じでした。

 

普段自分のお腹なんて押さないと思いますが、あおむけで押してみると硬いところや痛い

ところ、弾力がやけになかったりと、体調が反映されていることが多いです。理想はつき

たてのお餅のような弾力のあるお腹と言われます。

 

また夏の間は水分をたくさんとる一方、クーラーのせいで発汗が妨げられ水

はけが悪くなります。夏場に意識的に汗をかくことも大事です。

 

そういう自分も毎年調子を落としていたのですが、今年はビールを少なめにしてジョギン

グやフットサルで汗をかく機会を増やしたところ快調です。

生活習慣って大事だな~とあらためて実感しています(笑)

 

「ぎっくり腰」

7月中はぎっくり腰でみえる患者さんが多かった。

きっかけをうかがうと何もやってないとか、ちょっと前かがみになっただけ、くしゃみし

ただけと、ささいな動作で症状がでている方がほとんど。

 

でもよくよく話を伺うと、仕事が忙しく疲労がたまってたり、おんなじ姿勢で長時間座っ

てたり、冷房で足元から冷えていたり、飲食の不摂生がかさなったり、強いストレスがあ

ったり、女性だったら生理も関係していたりと、もともと体が硬くなってたからだな~と

思う。

 

そこで治療としてはまず体全体の状態を整えること。冷えた胃腸を温めたり、疲労やスト

レスで停滞しためぐりを良くしたりする。それだけで腰まわりの筋肉がやわらかくなるの

を感じるかたが多い。

 

そのうえで症状が出ている腰にアプローチ。痛みの部位や出方にもよるけれど、患部の状

態が冷えて弱って痛くなっている場合と、熱を持って腫れあがっている場合で治療を変えていきます。

 

よくぎっくり腰はくせになるとおっしゃる方が多いですが、痛みの原因となった生活習慣を振り

返ってもらえたらな~、なんて思っています。

 

 

※弱っている場合は鍼で足りなくなってるエネルギーを補う。そしてお灸の熱であたためる

。指圧で押されて気持ちいい場合が多く、症状の出方も比較的マイルド。治療のあとスタ

スタ帰っていかれる方が多い。

 

それに対して熱を持って腫れあがっている場合は要注意。だいたいちょっと動くだけで激

痛が走るような感じ。不用意に鍼やお灸をすると症状がよけいひどくなることがあるので

、患部の周囲から治療して腫れや熱を取り除いて自然治癒力がちゃんと働くような状況に

していく。またかばいの動作で患部以外もあちこちが硬くなるので、2次災害にならない

よう取り除いておく。こちらは普通の生活に戻るまでちょっと時間がかかります…。